■2007年03月27日
gumonji2006開発チームの現在とルーター追加調査について
こんにちは、entoです。gumonji2006の開発が終了してちょうど1ヶ月が経ちました。今日はgumonji2006開発チームの現在の状況と ルーターに関する追加調査についてお知らせします。
gumonji2006開発チームの現在
gumonji2006の開発と運営はento、malt、milner、ユカ、花、 それから今は卒業されたアルバイトさんを含め数名でおこなってきました。 現在は以下の2つのプロセスを終わらせている最中です。
- gumonji2006の総括:
gumonji2006で実行したこととその結果を検証し、gumonji 0.1に向けての改善点をまとめています。
- gumonji 0.1の土台開発チームに移行:
「土台開発チーム」のメンバーとそれぞれの担当については また機会があればご紹介しようと思います。チームとしては、昨年12月から既に 稼動していました。
gumonji2006の運営はento、ユカおよびシステム管理担当者1名で 継続していきます。また、新しく1名アルバイトさんを迎えることになりました。 私たち2007年度gumonji運営チームで、 gumonji2006で必要な不具合対応や実験的な内容の実施をおこなっていくことになります。
既知の不具合への対応について
現在確認されている不具合は 「既知の不具合リスト」 にて公開していますが、致命度が低いものや回避方法のあるものは直さない方針です。 できるだけの人と時間を次のバージョンへの開発に集中させたいからです。
不具合の致命度は以下の3つの指標にもとづいて判断します:
- 範囲(1人 - 全員)
- 強さ(ちょっと不便 - 遊べない)
- 可能性(低 - 100%)
既知の不具合リストのほとんどは対策をおこなわない予定ですが、「1/31メンテナンス後、新規登録やパスワードの変更、撮影した写真の反映などに時間がかかってしまうことがある」不具合については
- 範囲: 広い(パスワードを新しくした人全員、写真を撮る人全員)
- 強さ: 新しいパスワードが有効にならず、遊べない
- 可能性: 高
また、gumonji2006の内容的なアップデートはおこないませんが、 次につながる実験的な内容については必要に応じて実施していく予定です。 直近の具体的なものとして、ルーターに関する追加調査が挙がっています。
ルーターの追加調査について
昨年7月から実施しているルーター調査について、 明日3月28日から追加調査を実施することになりました。 引き続きご協力をいただければ幸いです。ルーター調査については、経過報告の記事もどうぞご覧ください。
追加調査では、ご使用のルーターがUPnPに対応しているかを調査します。 UPnPの詳しい解説は下記のリンク先 [1] [2] をご参照ください。
端的には、UPnPをつかうことでルーターを手動で設定する手間が省ける ことが期待できます。例えばゾーンサーバーをUPnPに対応させることで、 自動的にポート開放の設定ができるようになり、 ゾーンの公開が簡単にできるようになります。
今回の調査結果は、コミュニティーエンジンのミドルウェアの設計において、 UPnPへの対応にどれほどの実効性があるかを判断する材料とする予定です。
こちらの追加調査の経過報告も時期をみておこないたいと思います。それでは、 あらためてご協力をよろしくお願いいたします。
[1] 「Universal Plug and Play」(2007年3月23日 (金) 02:54 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/) より
[2] ITmedia LifeStyle 「 UPnPとは? その仕組みの原点に立ち返る」(2002年10月18日)
投稿者 ento : 20:31 | コメント (0) | トラックバック
■2007年02月16日
ルーター調査の結果と成果
昨年7月から gumonji ユーザーの方々に協力をあおぎながら、ルーター調査を行ってきました。これまで3000人近くの方に使用しているルーターの情報を送信していただいています。本当にありがとうございます。
多数のデータから統計を出す性質の調査なので、ある程度の結果が出るには時間がかかったのですが、ここで経過報告をおこないたいと思います。
目次
調査の内容
まず、昨年6月の記事「ルーター調査協力のお願い 」から、技術的内容の説明を引用します。
ルーターは、LAN(Local Area Network)内のマシンとインターネットの向こう側のサーバーの通信を中継するための機械です。
LAN内のマシンが複数ある場合には、NAT(Network Address Translation)という技術をつかって、一つのIPアドレスを共有するようにしています。この時、マシンで使われるポートとルーターで使われるポートとが違う場合があり、その変換方式にもルーターによって違いがあります。
NAT技術によって、一つのIPアドレスだけで複数のマシンをインターネットにつなげることができるという利点があるのですが、使われるポートの違いなどの理由で、ルーターを介してマシン同士が直接通信をすることが難しいという問題があります。たとえば、gumonji のゾーンサーバーを立ち上げているマシンに、3Dブラウザーで接続する場合がこれにあたります。
実際に世の中で使われているルーターではポートの変換方式はどのようになっているのか、半年に渡って調査してきたことになります。
結果
2006年7月12日調査開始以来、現在までの結果を集計した表です。
ポート変換方式の分類 | 割合 | % |
---|---|---|
NAT機能を使っていない | 328/2855 | 11% |
ポート変換されていない | 1934/2855 | 67% |
ポートが変換されている | 411/2855 | 14% |
ポートが少し違う | 181/2855 | 6% |
「NAT機能を使っていない」「ポート変換されていない」を合わせると約80%になり、 多くのマシンはとくに努力せずともお互いに直接通信させることが可能だとわかります。 「ポートが少し違う」だけの6%については簡単なポート変換予測をすることで接続が可能になりますが、「ポートが変換されている」14%のマシンとの通信については変換アルゴリズムの研究が必要です。
成果
昨年11月、試験的導入というかたちでボイスチャットを gumonji に実装しました。唐突な導入となってしまいましたが、背景にはこのルーター調査の結果があります。
ボイスチャットでは各3Dブラウザからの音声データを途切れることなく 周囲のキャラクターに送信する必要があり、ネットワークに負荷がかかります。 これを軽減するために、gumonji のボイスチャットはp2pネットワークを構成するエンジンを元にその機能がつくられています。このエンジンを設計する際にルーター調査の統計結果がとても役に立ちました。
ボイスチャットのエンジンは今後も研究開発を進め、 コミュニティーエンジンのネットワークミドルウェアの一つとして 成長していく予定です。
gumonji ユーザーのみなさまには、お礼の意を込めて、 また早い段階からテスターとして問題点の指摘をいただきたく 試験実装というかたちでリリースすることにしました。
今後もコミュニティーエンジンの技術を先行提供などのかたちで みなさまに体験していただく予定です。また、ルーター調査については 継続に価値があると思いますので、引き続きおこなうことにしています。 これからも一緒におもしろいものを作り、遊んでいくことができれば幸いです。
※開発ブログ用のスタイルシートを更新しました。ウェブブラウザのキャッシュが残っている場合、枠線が表示されず結果の集計表が少し見にくいかもしれません。 ページのキャッシュを削除して、ページの更新をおこなってみてください。
Internet Explorer や Firefox では、「Ctrl+F5」「Ctrl+Shift+R」などで最新のページに更新することができます。
投稿者 ento : 20:00 | コメント (0) | トラックバック
■2007年01月24日
gumonji 利用規約改定について
2006年11月29日および2007年1月17日に gumonji の利用規約を改定しました。ここで改訂内容を少しくわしく説明したいと思います。 主な変更点は次の3つです。
- ボイスチャット関連
- ユーティリティ作成関連
- 著作権表記関連
ボイスチャットにおける禁止事項
利用規約第11条(ユーザーの禁止行為)の第12項と第27項に 音楽・音声データに関する変更を加えました:(抜粋)
- 11条(ユーザーの禁止行為)
-
- (12)
- 他のユーザー、当社もしくは第三者の権利(著作権等の知的財産権、プライバシーもしくは肖像権等)を侵害したり、不利益を与えたりする行為 ※当社または第三者が権利を有する音声・音楽データなどを送信・発信する行為を含みます。
- (27)
- わいせつ、児童ポルノまたは児童虐待その他若年層にとって不適切な内容、もしくは露骨な性描写の画像、文章、音声・音楽データなどを送信・発信または掲載する行為
自分に著作権などの権利のない音楽・音声データを送信すること、 また不適切な内容の音楽・音声を送信することを禁止するものです。
ボイスチャットを使うときは十分ご注意ください。
作成してもよいユーティリティについて
利用規約第11条(ユーザーの禁止行為)の第1項からユーティリティの作成に関する文言を削除し、第18条(著作物の転載等について)に一定の範囲内で gumonji に付随するユーティリティを作成することを許可する項目を追加しました:(抜粋)
- 第18条(著作物の転載等について)
-
- 1.
- ...
- 2.
- 以下の条件を全て満たす場合に限り、ユーザーが本サービスに対し有用性を高める機能を付することを目的として本サービスに関するユーティリティを作成し、使用することを許可します。
gumonji の機能を向上させる、有用なユーティリティを作成していただくことを許可するものです。上記の条件のうち主なものを挙げます。(詳細については利用規約および「gumonji禁止事項」のページを必ずご確認ください。)
- データソース等として使用してよいのは、gumonji viewer・画面表示・操作インタフェース・Webサイトのみとする
- 営利目的でないこと
- 公開する場合は、著作物に関する注意書きをつけること
- 利用規約の内容を遵守すること
たとえば、人間による操作を自動化するツールや、操作しやすくしたり見やすくしたりするツールを作ることができます。もちろんほかのプレイヤーさんや gumonji のサービスに迷惑がかかるようなものであってはいけません。
Happy Hacking ! [1]
著作権表記について
利用規約第18条(著作物の転載等について)には著作物の転載条件が書かれています。新しい年を迎えるにあたって、そのうち第2項内の著作権表記を改訂しました:(抜粋)
- 第18条(著作物の転載等について)
-
- 1.
-
(2) 著作物の近く、あるいはウェブサイト内に以下に示した表記をすること。
表記例) 著作物の付近に「Powered by Community Engine Inc.」と表記し、近くに「当著作物の再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。」という表記をすること。
その他の条件には、営利目的でないこと、他のキャラクターのニックネームが表示されていないこと、大幅な改変をしないこと、gumonji の本来のイメージを損わないこと、が挙げられています。
以上です。
余談ですが、そろそろ gumonji2006 一周年ですね。この写真を見てあらためて気づきました。これからもどうぞよろしくお願いします。
[1] 「ハッキング」(2006年12月22日 (金) 19:20 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/) より
ハッキング (hacking) とは、コンピュータの隅々までを熟知した者が行うハードウェア・ソフトウェアのエンジニアリングを広範に意味する言葉。他人のコンピューターに不正に侵入したりすることをハッキングと言われる場合もあるが、本来はそのような意味をもつ言葉ではない。
投稿者 ento : 18:07 | コメント (0) | トラックバック
■2006年08月09日
ロードマップ改訂のおしらせ
公式サイトのロードマップを更新しました。ここではいくつか、以前と方針が変わった点に絞ってお届けします。また、今日(8月9日)のアップデートで、新しい水のしくみに対応した生き物としてプランクトンとイワシが登場しました。これをもって、gumonji2006 ベータ3 の開始とします。
gumonji2006では、問題点を克服することを第一の目標においています。大きくわけて、
- 生き物の種類の多様性
- アイテムの多様性
- つながりやすさ
- ゾーンのつくりやすさ
- 共同作業のしやすさ
- 動作の軽さ
のような問題に取り組みます。
一つ一つの実装内容についてはまだ固まっていなかったり、ここには書き切れなかったりするので、固まり次第、開発ブログなどでできるだけ公にしていきたいと考えています。
ロードマップの変更点
これまで gumonji 2006年バージョンの完成版「gumonji2006 1.0」として2006年夏から秋頃にリリース予定だったマイルストーンは、呼び名と内容・時期を変更し「gumonji 0.1」として2006年から2007年冬にリリースする予定としました。
これまでの gumonji の欠点を克服し、あらためてスタート地点に立つという意味を込めて「gumonji 0.1」と名づけています。実際の内容は下の「次のステップ: gumonji 0.1」をご覧ください。
gumonji2006 1.0 として実装予定だった、服・がらくた類・おもちゃは(一部すでに実装ずみですが)これからも順次更新していく予定です。
呪文について
これまで、ベータ3の後は呪文はすべて使えなくなる、としていましたが、手段としての呪文はこのまま残すことにしました。ただし、ベータ3の間に一部の呪文は使えなくなったり、質量保存の法則に沿ったかたちに動作が変更されたりする予定です。
とくに、「セルロミン」呪文はなくし、代替手段を実装する方向で考えています。「雨」や「種」呪文については、質量保存するようにしていきます。
生き物について
深い水や岩山など、環境は多様化したのに、生き物のほうは種類が少なく、少しさびしい状態です。今回登場した海の生き物たちに加えて、色々な環境の生き物がだんだん登場する予定です。
また、動物はもう少しかしこい動きをするようにもしたいと思っています。
次のステップ: gumonji 0.1
現在 gumonji が抱えている大きな問題点の一つとして、3Dブラウザーが重いことが挙げられます。これを根本的に解決するために、新しい3Dブラウザーを作ります。
そのほかにも gumonji 0.1 以降でチャレンジしたいことが沢山あります:
- お隣ゾーンがある
- 風が吹く
- 季節がめぐる
- 自然の音がする
- スクリプトでロボットを動かす
- 多言語に対応する
- 遠くまで見える
- 複数のOSに対応する
- ブロックを積める
などなど。どうぞご期待ください。
投稿者 ento : 15:29 | コメント (0) | トラックバック
■2006年06月08日
データの改変について
ゾーンデータの改変について、長い間態度をあいまいなままにしてきてしまいました。ほんとうに申し分けありません。
データを改変することは、利用規約の第11条(ユーザーの禁止行為)の二番目にあたります。しかし、その理由があいまいだったので、利用規約を改定してデータの改変を認めることも視野に入れつつ議論を重ねてきました。その結果、データを外部ツールを使って改変することは改めて禁止とすることにしました。この結論にいたった経緯を以下に記します。
なお今後、データの外部ツールによる改変行為を発見した場合、利用規約の第16条(本サービスの利用停止)にしたがって、gumonji の利用停止や登録削除を行う場合があります。どうぞご理解ください。
ただし今までに改変行為が行われたかどうかは、コミュニティーエンジンでは認知しないものとします。
現状
まずはじめに、周辺の問題を整理してみます。
- ゾーンデータをユーザーが自由にいじれる。その結果、セルロミンを消費することなく、質量保存の法則を無視してエディットしたり、巨大な生き物を出現させたりすることができる。
- バックアップデータの使い方がドキュメント化されていない。
- バックアップデータを使って、アイテムの複製ができる。二次的に、ゾーン全体を海にするほどの水滴をおく、などの行為(いわゆる水爆や土爆)が発生する。
どうすれば解決できるか
3番目については、そうした「やりすぎ」な操作から自分を守れるように、アイテムを置くときにモル数で制限できるようにしました。アイテムの複製によって質量保存の法則がやぶれることについては、解決策を検討中です。
2番目の問題についてはFAQの「ゾーンに関して」のところに関連する項目がありますが、地形データに関してしか記載されていません。来週のメンテナンス(6月14日)までに、その他のデータについても追加します。
1番目の問題を解決するために、外部でデータをいじっても質量保存の法則がなりたつような仕組みを実装することも可能です。けれど、やはり違和感が残ると私たちは考えました。問題は「自由に」というところです。
自由なのはいいじゃないかと思われるかもしれませんが、もう少し付きあってください。
gumonji は環境シミュレーターである
gumonji では一定のルールにもとづいて世界が変化していきます。その中で環境シミュレーターとして遊べるためには、適度に先が読めることが大事です。
まず「こうすれば、こうなる」という予想を立てて、それにもとづいて行動ができること。その上で予想外のことが起きて新鮮な驚きを味わったりできること。
例えば、と例を出したいところですが、開発者の私たちも驚くような世界が実は理想です。
そうして遊ぶために必要なバランスについては、まだまだ改善していくつもりです。
gumonji はいじれてつながる環境シミュレーターである
友達の四角君のゾーンも、その友達の四角ちゃんのゾーンも、全部ひっくるめて、gumonji だと私たちは思っています。「つながる」gumonji です。
もし gumonji の外から自由にデータをいじれることにしたなら(「いじれる」 gumonji)、各ゾーンは、作成者の独自ルールに基づいた世界になります。
もしゾーンのエディットといったような、gumonji の基本的なところで価値観が共有できなければ、他のユーザーと共にシミュレーションを楽しむことも難しくなります。そうした gumonji を、私たちは望みません。
ただ、今あるエディット手段では自由自在に絵筆をふるうといった具合にはいきません。ほんとうに「いじれる」gumonji として、もっと色々なことができるようにしていきたいと思っています。
以上をふまえて、次のことを約束します。
データの改変についての方針
- 世界のルールは統一されていた方がおもしろい、という理由から、外部ツールを使ってデータを改変することは禁止します。
- 好きな地形にしたり、大きな木を育成したり、といったことが、やりやすくなるような機能を実装したり、バランス調整をしていきます。
- ドキュメントの不備を直していきます。
- 規約のなかで不明瞭な部分について、ドキュメントを追加します。
最後に、迷惑行為についてはまた稿を改めて考えたいと思います。