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2005年08月25日
Googleについてさらに考える1
将来の仕事をGoogleに奪われないためにどうすればいいかについて、
ある程度の見通しを持っておきたいと思う。
次の10年を考えるときには、Googleの影響は無視できないはずだ。
まず、Googleと競合することを避け、共存していく方法については、
Googleと競合しない方法 というエントリで、ひとつの案を考えた。
人類が解決していかなければならない問題が100あるとすると、
泥臭い、湿った、霧につつまれた問題が、実は98ぐらいを占めるはずだ。
泥臭い問題とは、たとえば、医療とか、エネルギー問題とか、
貧困とか、ハードウェアとか、都市開発とか、戦争/紛争とか、
水資源の問題とか、人口問題とか、
農業/食料/生物資源とか、宇宙開発とか、歴史とか、
教育の問題とか、宗教とか、差別とか、
国境とか、お金とかの問題である。
のこりの数%が、臭くない、乾いた、霧が晴れている問題で、
いま現在、GoogleやYahooやMicrosoftがしのぎを削っている部分である。
コンピューターに魅せられ、しかも能力をもつ人が、
乾いた世界の外に広がる、もっとでかい問題空間に興味をもって、
そこでコンピューター操作の能力を発揮したくなるような
発見のしくみを作ることができれば、Googleによる不安は減るのではないか。
泥臭い部分において、コンピューターの利用はまだまだ、まったく足りない。
簡単なハックはそこそこにしておいて、さっさと、
自分から泥につっこんでいけばいいのだ。
「コンピューター利用の石器時代」が、Googleによって、終わった。
終わりかけのときは「大再編」が起こるものだ。
大再編の結果、世界の総生産が3000兆円以下だとして、
そのうち2%の60兆円を10年分、Googleが持っていきました。
それだけのことだ、 と考える選択肢が、まずひとつ、あるだろう。
もうちょっと考えをすすめたい。
チープ革命の連続 では、
世界レベルの分散検索エンジンという考えについてすこし考えた。
OpenGoogle というキーワードは以前からあったし、
ハッカーなら誰しもが考えていることだが、
これがどれぐらい荒唐無稽なことなのかを、
まじめに議論してるところは少ないようだ。
いまGoogleがやっている仕事は、1つの企業が、
ブラックボックスの中に大きい設備を作って、
誰にもわからないように、中央集権的な方法でやらないと、
できないようなことなのだろうか。
そんな風には思えない。
チープ革命は、人工衛星や、無人飛行機、
センサーネットワークなど、あらゆる部分に及んでいる。
GoogleMapsだって、amazonのA9だって、
いち個人がやるのは無理にせよ、
自治体や、中程度の企業、大人数の個人などが複雑に
組みあわさった生態系があれば、どうにかしてできるのではないか。
Googleが、将来かならずやるであろう、
Googleファイナンス、Googleリクルーティング、
Google不動産、Googleメディカル、Google運輸などについてもだ。
自分の生活の基本をなす部分が、
必要以上にブラックボックスの中に入っているという
基本的な違和感を消し去るために、
いまからできることはあるのではないか。
たとえば、
「Googleの社員1万人がやっている仕事を、
片手間の10万人でやれる方法」
は作れないか。あるいは、
「誰でもがGoogleを作れるようにするキット」
は作れないか。
Googleと競合することを避けるばかりではなく、
たまには本気で競合することについても考えてみると、
おもしろいかもしれないな。