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2005年08月03日
Googleと競合しない方法
ネットワーク技術を使ってメディアを作る仕事をしていると、
どんな方向に進んでも、かならずGoogleと競合して、
とても勝ち目のなさそうな戦いに巻きこまれてしまいそうな気がしてくる。
そこで「アイデアを動くものに実装し、Googleなどの金持ち企業に売り飛ばし、
それを繰りかえせ」、という方法を唱える人もあらわれた。
そんな消極的なやりかたではなくて、Googleと競合せず、
うまくやっていく方法はないものか?
創業時からのGoogleのビジョンは、
「増殖する地球上の厖大な情報を瞬時にすべて整理し尽くす」
ということになっている。情報を増植させる担当と、整理する担当に分けると、
Googleは、整理する担当ということになる。
だから、ひとつ言えそうなのは、地球上の厖大な情報をますます増植させる仕事を選べば、
Googleとうまくやっていくことができる、ということだ。
未整理で、生で、かつ大量な情報を生みだすメディアを作り、
そこで発生する情報を整理するのはGoogleにまかせればよい、ということである。
人間や社会の動きを観察して、まだネットワークに乗せきれてないところをさがし、
それを確実にとらえるインターフェイスを作り、通信ネットワークを通して増幅し、
その観測結果、入力結果をそのままネットに乗せる。
あとのややこしい整理はGoogleがやってくれる。
Googleの整理に不満な場合は、自前で整理ツールを実装すればよい。
こう考えると、
中期的に発展しそうで、Googleとうまくやっていけそうなのは、
まだまだネットワークに乗せる情報を得られる余地のある、
製造業や農業など、自然現象やハードウェアを多くあつかう業界や、
人(これも自然現象)の心をあつかうエンターテインメント業界、
教育業界あたりなのかもしれない。
エンターテインメントでない情報産業は、かなり大変なことになっていきそうな気がする。