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2007年01月10日

iPhoneと、モバイル開発の今後

iPhoneについて書かずにはいられない。

iPhoneに乗っているOSはosxであり、FreeBSDであり、UNIXである。
そこでは世界標準のAPI(TCP/IP, socket,ObjC/C++,OpenGL,
javascript,DOM,CSS,Flash, .Net, SQL, J2*E, Ruby など..)が使える。

これまで、「携帯電話むけ開発」とは、機種ごとに最適化された、
方言だらけの、非標準APIを乱用する、特殊な開発を意味していた。
たとえば「何々 for モバイルの開発」と聞いてイメージするものは、
DoJaやbrewなどといった特殊な処理系に対応するために、
さまざまな制限をうけながら、特殊なコードを書くことだった。

もしiPhoneが、標準的なOS環境が携帯電話でも軽快に動作することを証明できれば、
日本のメーカーや他の携帯電話会社も、osx以外の標準的なOSである
windowsやLinuxを使った処理系を、
これまでとはちがった速度で提供しはじめる可能性が高い。
その理由は、標準的なOSを使わずに、同等以上の機能を実現し、
競争を続けていくためには、開発効率が悪すぎるからである。
車輪の再発明にも時間がかかるのだ。

次の5年から10年を考えるならば、「携帯電話向け技術開発」は、
「小メモリ・弱CPU・携帯各社の歴史的事情に特化した、特殊な実装ノウハウの蓄積」
ではなく、
「モバイル環境に特化した用途や機能の開拓と、それらが必要とする技術やアイデアの蓄積」
に変わるのである。

チープ革命は続き、エンジニアの仕事は変わっていく。

Posted by ringo : 15:13 | TrackBack