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2006年06月02日

日本

私は日本の将来に興味がある。
ここしばらく、日本が次の50年でやるべきことについて、いろいろと考えたり、本を読んだりしている。
大企業はぱっとしないし、政治家も何だか停滞気味のように思える。
次の50年に必要な変化は、大企業や政治家によってはもたらされないように感じる。
だからといって、どうしたらいいのかについては、まだまだ漠然としている。
漠然としているときは、試しに文章にしてみるに限る。

私がおもう次の50年の日本のToDoは、以下の通りである。

1. 日本にしか存在しない知恵と技術と文化を、ITの力をつかって結集し増幅する。
2. その知恵と情報を世界中の国に売り、50年で500兆円ぐらい儲ける。徹底的な金儲けをする。
3. 500兆円のうち、100兆円を、世界の最も貧しい10億人に投資し、
20年間、ギリギリ食べることができ、生まれてすぐには死なない状態を保証する。
1人あたり10万円の資本があれば、彼らは発展を開始できる。
4.それと同時に、彼ら10億人の労働力を、仮想空間(ネット)越しに日本に結集する。もちろん日本語教育を徹底的に行なう。
5. 仮想空間もふくめた日本の人口を11億人にして、中国やEUや米国に対抗できる国となる。


まずステップ1、日本にしか存在しない知恵と技術と文化とは何か。
日本人はセロトニン分泌量が多いから、不安にかられたり、悲観的になることが多い。
その反面、細かなことに気づいたり、緻密な仕事をすることができる。ここはのばすべきだろう。
科学の多くの分野ではそういった動きが必要になることが増えてきているから、チャンスはまだあるはずだ。
日常的に体や目にふれるものなどは微妙な違いが大事だから攻めるべきだ。
ほかにも「もったいない」というメンタリティをとことんつきつめて、0.1%づつエネルギー効率を改善するとか、
それを100箇所ためこんだら50倍にするとか、そういった事例をつみあげていく。
反面、巨大な不安と戦う必要がある、投機的な金融などの分野では、勝とうとしないほうがいいかもしれない。

次にステップ2、50年で500兆円ほど稼ぐ。
これには1999年の貿易黒字水準と同じ、つまり今の2倍の状態を50年間続ける必要がある。
むずかしい目標だが、不可能ではないだろう。トヨタがモータリゼーションを進めたように、
社会全体のロボット化、オートメーション化を、生活に密着した部分から順番に、
そして徹底的に進めていくというのがひとつあるだろう。
数万円〜数十万円のロボットを数億台売ればよい。
生活に密着したロボットは日本人が得意としているに違いない。

ステップ3、1日1ドル以下で生活している10億人の極貧生活者に100兆円を投資する。寄付ではなく投資する。
諸説あるが、たとえばジェフリー・サックスによれば、
1人あたり10万円投資すれば、十分に「開発のはしごの最初の段に足がかけられ、
発展を開始できる」という。投資した結果発展が始まれば、
現金収入として返ってくる。50年後から20年間の間に、投資のリターンが見込めるだろう。

ステップ4、投資をするとき、お金だけではなく、情報や文化も同時に送り込んでおく。
これが投資の本当の価値となる。プライスレスな部分がもっとも重要なのである。
具体的には、徹底的に日本語教育を行い、日本文化を伝えていく。
日本的やり方を好む人が世界に増えることは、日本の力そのものである。
日本語を話、日本的やり方をこのむ人々は、ネット越しに、
日本に対して膨大な労働力を供給してくれる。ステップ1で構築したITのしくみをそのまま世界に展開し、
世界中から日本にパワーを集める。
ロボット革命の第一ステップは、完全自動ロボットではなく、
ネット越しのリモートコントロールロボットである。その操作を、
世界各地に住む、第二外国語として日本語を話す仮想日本人が担当し、
世界に散らばるロボットや機械類の頭脳として仕事する。
10億台(人と数えるほうがいいか)のロボットを10億人が操作する。
このインフラには、軽く500兆円の価値はあるだろう。

ステップ5、こうして、国語として日本語を話す人が1億人、
第二外国語として日本語を話す人が10億人となる。これらの人々を総称して「日本人」と呼ぶ。
リモートの日本人にも国籍を発行し、部分的ではあるが国家によるサービスを提供する。
ついでに、日本製のロボットも「日本人」と読んでもいいかもしれない。

仮想空間には日本語があふれ、現実空間でも日本文化の影響が世界中に及ぶ。
世界中に、ちいさなちいさな飛び地の日本、つまり「泡日本」が分散して何千何万と存在し、
世界のどこにいってもちいさな日本を発見することができるようになるのだ。

Posted by ringo : 01:34 | TrackBack