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2005年10月31日
公衆コンピューター
パソコンや携帯電話といった、ネットにつながったコンピューターは、十分に普及した。
日本でも、2人に1台の水準を超えている。
WebブラウザやEメールクライアントなど、基本となるソフトウェアも、
ハードウェアとセットになって、十分に普及したと言える。
しかし、コンピューターの力をフルに活用するための方法は、普及するのがとても遅い。
コンピューターリテラシーに関しては、進歩がとても遅いのだ。
コンピューターをうまく利用できる人と、そうでない人の間にはとても大きい差があるのだ。
この差をデジタル・ディバイドというらしい。
デジタルディバイドの原因は頭のよしあしではない。単純に、知識と経験の問題である。
「アインシュタインの論文を3秒で探し出す人がいる」
「中国と無料でビデオチャットしてる人がいる」
「英語のページを日本語に自動翻訳して見てる人がいる」
「初台から神泉まで、傘がなくても濡れない道を検索する方法がある」
「無料の数学Iの教科書がある」
「2時間の映画を10秒にする方法がある」
といったような知識があるかどうかである。
「知っているかどうか」は単純だが、ものすごく重要だ。
一般の人が、コンピューターでできることの可能性と限界を知る方法が、少なすぎるのだ。
一般の人がコンピューターの力をもっと知れるようにするために、
公衆コンピューター を置くのはどうか。
駅の中や、交差点、地下道などの目立つ場所に、
公衆電話ならぬ、公衆コンピューターを設置する。
ディスプレイはそのへんの壁にフィルムを適当に張ってプロジェクターで投影する。
地下道などには無尽蔵に壁面があるから、それを使えばいいだろう。
というか、むしろ地下道の照明をぜんぶプロジェクターにしたらよい。
LEDを使ったプロジェクターであれば、メンテナンスコストも安くなるだろう。
ベースとなるマシンはMacかWindowsで、
耐水性のトラックパッドつきのキーボードがついている。
ブラウザやメーラーなどの基本的な装備はもちろんある。
「リセットボタン」がついていて、それを押すと、瞬間的に工場出荷状態に戻る。
だから、好きなソフトをインストールしたりしてやりたいことをやればよい。
「Macボタン」と「Windowsボタン」を用意して、
それを押すと瞬間的にOSが切り替わるというのでもよいだろう。
子供がゲームをやりたがって仕方ないだろうから、
5分ごとに自動的にリセットされてしまうのでもよいだろう。
リセットボタンを押した直後は、GoogleEarthを活用した、
まるくて青い地球が見えていて、衛星から見た感じで高速にズームし、
5秒で、現在端末をつかっている人からみたリアルサイズの景色になる。
地域の情報や交通機関の情報を探すモードがデフォルトであるべきだろう。
SUICAのリーダーがついているので、簡単な認証をしたり
ユーザーIDを晒さずに有料のサービスを使ったりもできるだろう。
もう少しがんばるなら、SUICAをかざすと、
瞬間的に自分の公衆コンピューター用環境が呼び出されるのでもよい。
そうすれば、時間のかかる作業(プログラミングなど)をやる気もおきる。
自分で公衆コンピューター用のプログラムを書く人もあらわれるだろう。
それを地下道でついついやってしまう人もいるだろう。
携帯電話の小さな画面ではできない、大規模でパワフルなブラウジングが
できるようにすれば、携帯電話との棲み分けができるだろう。
「プライバシーがどうのこうの」とかいって邪魔が入るだろうが、
そんな問題は簡単に解決できる。
さっさとやってしまったらいいのだ。