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2005年09月16日

WikiExam

Wikipedia を使った採用試験をひとつ思いついた。
これはエンジニアだけではなく、いろいろな職種で使えそうだし、
大学のレポートとかでも応用できる。

やり方は単純で、Wikipedia(英語版)に、新しい言葉を10個登録して、
解説を加えよ、というものだ。難易度は、個数と制限時間を調整することで、
いろいろ調整できる。

これによって、以下の能力をチェックできる。


* まだ誰もやってないことを探しだす能力
Wikipediaの70万を越える語句に含まれない語句を探しだすことが必要。
日ごろから、自分ならではの視点を持って生活をしてるかどうか、
最新情報に明るいかどうか、などが問われる。

* 知識量
技術や科学の分野で、まだWikipediaに入ってない語句を探すには、
かなりの知識が必要となる。逆に、自分の身近な言葉(実家の近くの坂の名前など)
ばかりだったら、博学ではない、ということがわかる。
しかし、たとえ坂の名前でも、歴史的なこととか、経済的なことなどについて、
面白い記述ができたりすると、評価は高いだろう。

* 調査能力
語句を発見したとしても、それに解説を加えるために、裏を取らなければならない。
そのためには、ちゃんとした調査能力が要求される。Wikipediaの他のエントリに、
どれだけリンクを張ることができたか、なども重要だろう。

* 言語化能力
Wikipediaには、文章と図しか載せられないので、口頭で説明できる能力だけではだめで、
ちゃんと論理的な文章が書けるかどうかも問われる。

* 情報リテラシー
ほかの人が書いた文や図を盗むことなどについての常識も試される。
Wikiのうまい使いかたとか、Wikipediaの書法にすぐに慣れることができるか、
といった点も試される。

* プロ感覚
Wikipediaには、どんな風にドキュメントを変更したかの履歴がすべて残る。
どういう順番で、どういう時間配分で、という記録を見れば、
たとえば「1時間で10個」という課題があったときに、どういうプロセスで書いていくかを見て、
時間の使いかたに関するセンスを見ることができる。
新卒で時間の使いかたがアマチュアぽい場合は、2語目がやたらと長くなって、
結局4語目以降は見出ししか書けなかった、というようなオチになる。

* 価値観
どういう単語を選ぶかは、その人となり そのものだ。

* 英語力
英語以外のWikipediaが、あまりにも語数が乏しいため、ほとんど使えないというのが、
問題といえば問題だ。

* タイピング速度
当然、必要だ。


たとえば、ネットワークコア・エンジニアの場合であれば、
1時間の試験で10語ぐらい、というのが順当なところだろうか。
また、さらに難易度を上げるためには、Wikipediaの「リクエスト集」
というページに含まれる語は禁止、というルールをつけてもいいだろう。
あるいは、すでにwikipedian になってしまってる人の場合は、
試験に使う語句のカテゴリを指定するなどすれば良い。


こういうテスト方法に WikiExamという名前をつけて、実際にやってみようと思う。

WikiExamは、実は、大学の授業とかでも、「ゼミで出てきた単語をひとつWikipediaに書いて、
提出せよ」という課題を出すことで応用できる。

このエントリを読んだ方は、ぜひ、一度ためしてみてほしい。
想像以上にむずかしいことがわかると思う。


もしうまくいったら、広めてみたい。

Posted by ringo : 10:44 | TrackBack

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