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2005年06月18日

思いつきのしくみ

今日は、何かを思いつくときの順番について考えてみた。

1) まず、突然に、ある言葉を思いつく。その時点では、
その言葉の意味は、自分でもよくわかっていない。
その言葉の多くは、2つの言葉をつなげたものである。
3つが同時につながることは、ほぼ絶対にない。

2) その組みあわせを、自分で覚えておくか、どこかに書いておく。

3) 2、3日後に、その言葉を思いだしたり、メモを見かえして、内容を考えてみる。

4) 10分ほど考えると、「なるほど、そういうことか。」ということで、
思いつきの内容が、うまくまとまる。 もちろん、まとまらないときもある。

5) さらに1週間ほどたって、ほんとうにいいアイデアだと、まだ思っていたら、
ある程度の量のテキストに落としこむ。 この時点で企画書を書いたりすることもある。

* 新しい言葉や考えを知ったときに、自分の知っている言葉同士が組みあわさる。
しかし、新しい言葉と既存の言葉が組みあわさることはない。また、
2個以上の語を新しく知った場合、その語同士が組みあわさることはない。
あくまでも、過去に知った語同士だけが組みあわさる。

* 誰かと話をしている最中だと、話している最中の数分間で、段階1から4までが、
一気に進むこともある。誰かと話をするのは、初期の思いつきを高速化する。
ただし、誰かと話をしたからといって、段階5が速くなることはあまりない。

* 1から5までの間に、かならず、何らかの、その言葉に関係する現象が起こったり、
自分にとってあたらしい情報が入ってくる。

* これは、意図的にやっていることだが、常時、10〜20の言葉が、
自分用wikiの中にストックされている。文字でストックしておくほうが、
圧倒的にあたらしい組みあわせが起きる頻度は高まる。

* 新しい語を知る順番が、非常に重要である。

たとえば、このあいだ、「ニンテンドーDSを使った貨幣システム」
という組みあわせを突然思いついた。その時点では、これはおもしろいアイデアなのか、
どうでもいいアイデアなのか、自分ではよくわからなかった。
そのまま2、3日置いている間に、ライブドアが首都圏に無線LANの
アクセスポイントを大量にばらまくという計画を発表し、
アイデアの面白さは一気に増加した。さらにこのまま数日間置いておくと、
別の情報が入ってきて広がりをみせるかもしれない。

私は、自分がどの程度の速度で新しい言葉に出会うのか知りたかったので、
「これは新しい言葉だ」と感じるたびに、過去半年間、自分用wikiに記録してきた。
以下は過去1週間に新しく知った言葉の履歴である。

6/18(土) 1:58 Kwartz 0
6/17(金) 1:56 CoC 19
6/14(火) 0:41 トリガ 143
6/12(日) 16:08 syndicate 492
6/12(日) 9:16 タンジブルビット 132
6/12(日) 9:04 ロングテール(現象) 0
6/12(日) 2:21 glitch 233
6/11(土) 22:57 metakit 35
6/11(土) 18:11 テラ通貨 0
6/11(土) 10:59 plagiarism 186

今週は、とくにたくさん本やブログを読んだ週でもなく、
特にたくさん人と話してもいず、いたって普通の週だった。
1週間に9語で、取りこぼしを入れると15個ぐらいだろうか。
実際には、半分ぐらいは取りこぼしがありそうだ。
たとえばライブドアの無線LAN計画は、固有名詞を見たはずだが、
その時点で記録しなかったために覚えていない。(重要ではなかったという事か。)
また、「Solarisのオープンソース化」という非常に重要なニュースも、
語ではないので記録していない。
ちなみに上のリストのうち半分ぐらいは、どこかのブログを読んで知った語である。

たとえば、この9語のうち、「ニンテンドーDSを使った貨幣システム」
に関係が深そうなのは、 テラ通貨と、タンジブルビットの2語だと思うが、
「ニンテンドーDSを使った貨幣システム」をストックしていなかったら、
おそらくこの2語はマッチングにひっかからずに流れていただろう。

記憶力を向上させず、特に自分に厳しくすることもなく、
もっと速い速度で思いつくようにしたい。
すぐ思いつく簡単な方法は、自分で記録した新語をデータベース化し(もうしているが)
そこに含まれない単語を多く含むブログが自動的に上のランクにくるような
ブログ検索エンジンを使うことだ。これによって、
新しい語に出会う確率を上げられるかもしれない。

全然違う考えかたとして、いま実際にやっているのだが、
wikipediaのRecent changesという特殊ページや、
mixiのコミュニティの新着順リストのように、
新語を発見しやすいページを巡回するようにするのは良いかもしれない。
しかしこの方法はあまり良くない。その理由は、いま私が欲しいのは、
「自分の行動の結果によって新語に出会うこと」であって、
「コミュニティや世界全体にとっての新語」ではない。
あくまで自分が無意識に行動した結果出会う言葉である必要があるのだ。
この条件は絶対的に重要な条件だと思うが、なぜそう思うのかは、まだ自分でもわからない。
だから、自分が知っている語じゃない語が含まれているブログ検索
のほうが良いということになる。

「自分が新しく知った語とその内容を、複数人で淡々と入力していく共有ツール」
みたいなのがあって、そのデータベースの内容から、
自分にとって最適なアイデアをもたらす検索結果をだす検索エンジンというのがあると、
非常によいかもしれない。 自分内、社内、友達内、地域内など、
いろいろな区分ごとに分けて、「知っている・知らない」を判定し、
そこにない言葉をうまく見つけだしてくれる検索エンジン。

「googleで5回以上検索した語を知っている語とする」とか、
いろいろの工夫の組みあわせで、かなり楽をして以上の機能を実現できるかもしれない。
現在、googleの robots.txtを見ると、 Google Search History に対しては、
ロボットによるアクセスを許可しているから、これを機に試してみるのも面白いかもしれない。

User-agent: *
Allow: /searchhistory/
Disallow: /search
Disallow: /groups

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現在ストックされていることば
「まったく同時に見る」
「繰り返しが多い」
「ワットあたり計算能力」
「コンピューターはメディアである」
「合法的なP2P利用」
「体が動いてから考える」
などなど。。

Posted by ringo : 01:01 | TrackBack

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